MOUSE ON MARS

マウス・オン・マーズはドイツが誇る電子音ユニット。メンバーはヤン・ヴェルナーとアンディ・トーマ。「火星のネズミ」のごとく、ちょこまかと動きまくる電子音が何とも印象的。縦横無尽に電子音が響き渡るがその作りは非常に巧妙で、しかも聴きやすい。昨今の電子音系アーティストでは管理人が最も敬愛しているバンドです。ヤン・ヴェルナーはオヴァルのマーカス・ポップとミクロストリア、ソロ名義でリソップス、フェリックス・ランドミッツとデューで活躍と大忙し。

VULVALAND

1.Frosch
2.Elli Im Wunderland
3.Uah
4.Chagrin
5.Future Dub
6.Die Seele Von Brian Wilson
7.Katang

94年発表の1st。@「Frosch」から結構アンビエント入ってますがリズム打ちされており、ゆらゆらと宙をさまよい気分で踊れます。A「Elli Im Wunderland」はアンビエント色が強い。B「Uah」では作風を一変。弾けたエレクトロテクノ。途中アンビエント空間もシンセで演出。ハードフロアが演りそうな音かな。良いです。C「Chagrin」は声入りでゆったり。D「Future Dub」もゆったりながらビートが力強い。E「Die Seele Von Brian Wilson」はやや民族舞踊的リズム。アルバム中最も長尺のF「Katang」は可愛らしい電子音やノイズ系電子音をからめつつも中盤以降淡々とアンビエント風にビートが鳴り続ける。終了後暫く無音状態が続くがシークレットトラック有り。これぞテクノと言うべき立てノリテクノが始まる。彼らの作品中最もイケイケナンバーでしょう。全曲5分以上の長尺ナンバー。今のマウス・オン・マーズと比べるとやや異質だがテクノ好きも電子音響好きも楽しめる好盤。最近マウス・オン・マーズが好きになった方も是非とも聴いて頂きたい。何故か日本盤出てません。

IAORA TAHITI

1.Stereomission
2.Kompod
3.Saturday Night Worldcup Fieber
4.Achunkel
5.Gocard
6.Kanu
7.Bib
8.Schlecktron
9.Preprise
10.Papa, Antoine
11.Omnibuzz
12.Hallo
13.Die Innere Orange

95年発表。@「Stereomission」で驚き。いきなり「これは皆様ご存知の事でしょうが〜」と日本語でステレオの解説。最後は「マウス・オン・マース95年ステレオミッションでした」と。ステレオについて学べます。おもろいのでとりあえずステレオヘッドフォンで聴いてみて下さい。元クラフトワークのヴォルフガング・フルーアが参加。Dsで最早マウス・オン・マーズ第三のメンバー、ドド・ンキシも参加している(前作から既に参加)。細部まで音使いが計算された空間的演出が格段と向上。ポップで優しい電子音メロディーが気持ち良い。特にI「Papa, Antoine」なんかはタヒチの夕暮れを徘徊するネズミのような気分で解放感に浸れます。ドラムンベースを駆使した超名曲F「Bib」はこのアルバム中最重要曲。必聴。L「Die Innere Orange」は12分を超えるナンバーだが最初の10分ほどはラジオ受信のようなノイズとちょっとした声が入るだけ。10分を超えた辺りからヘンテコな電子音が飛び交う。

AUTODITACKER

1.Sw Shop
2.Juju
3.Twift Shoeblade
4.Tamagnocchi
5.Dark FX
6.Scat
7.Tux & Damask
8.Sehnsud
9.X-Flies
10.Schnick Schnack Meltmade
11.Rondio
12.Maggots Hell Wigs

Bonus Track

13.Cache Coeur Naif

14.Glim

通算3枚目のアルバム。@「Sw Shop」からいきなり軽快でアルバム全体的にもリズムを前面に押し出した感じが印象的だ。特にアルバム前半はその傾向が強く、後半はやや実験的というかいわゆるマウス・オン・マーズらしい曲が並ぶ。何れの楽曲にせよ浮遊する電子音にしっかりとしたメロディーラインをのせる辺りに彼らのポップセンスを垣間見れる。A「Juju」は初期のエイフェックス・ツインがやりそうなアンビエントテクノ。B「Twift Shoeblade」はちょっとドラムンベース入ってます。とにかく印象に残る曲が多いアルバムで初心者にもとっつき易い名曲揃いの傑作。日本盤ボーナストラックにはステレオラブのレティシアとメアリーが参加したシングルL「Cache Coeur Naif」を収録。正にマウス・オン・マーズ+ステレオラブの名曲です。M「Glim」は5thアルバムのラストにも収録。

INSTRUMENTALS

1.Auto Orchestra
2.Owai
3.Chromantic
4.Pegel Gesetzi
5.Rompatroullie
6.1001
7.Subnubus

Bonus Track

8.Creolian Saphire

前作の「AUTODITACKER」から僅か数ヶ月、97年発表の4th。自主レーベル、ソニグの第一弾でもある。95年から97年にかけての作品集で、当初はアナログオンリーだったが晴れて2000年にCD化。「AUTODITACKER」とは対極を成すようにこちらは実験色の強いナンバーが多い。但し@「Auto Orchestra」とE「1001」がやや前衛的に感じる以外はすんなり聴けるのではないだろうか。A「Owai」なんか一種のトリップ感覚が味わえる名曲。決してポップとはいえないがちょっとしたメロディーはこの作品でも健在。実験的ながら聴きやすい。そんな彼らの原点を伺えるアルバムだ。

GLAM

1.Port Dusk

2.Grindscore

3.Snap Bar - (Bonus Track)

4.Tankprk

5.Mood Leck Backlash

6.Rerelease Hysteresis

7.Pool, Smooth And Hidder - (Bonus Track)

8.Flim

9.Tiplet Metal Plate

10.Hi Court Low Cut

11.Funky Tiste

12.Starroom

13.Litamin

14.Heizchase Nailway - (Bonus Track)

15.Glim

98年発表。元来映画の為に作成された音源だが映画には採用されずその映画もお蔵入り。ジャケの写真も映画とは関係なくヤン・ヴェルナーが本にあった写真を加工したもの。そんな音源を再編集し一枚の作品としたアルバムだが楽曲の統一感からコンセプトアルバムに近く映画的には感じる。内容は彼らの作品中最もディープなアンビエント風味。メロディーやリズム打ちが排除された楽曲が中心で個々の楽曲だけで聴く代物ではなくアルバムで楽しむべき。

NIUN NIGGUNG

1.Download Sofist

2.Yippie

3.Pinwheel Herman

4.Super Sonig Fadeout

5.Booosc

6.Diskdusuk

7.Gogonal

8.Albion Rose

9.Mompou

10.Distroia

11.Wald F.X.

12.Circloid Bricklett Sprungli

99年発表。6th。下記の「NIUN NIGGUNG」より先に欧州でリリースされた盤。下記未収録のC「Super Sonig Fadeout」はアッパーなエレクトロ。7th収録「Actionist Respoke」の先駆けとなる曲といった感じ。K「Circloid Bricklett Sprungli」は強烈なノイジービートが印象的。10分程の無音後シークレットトラックとしてドドのドラムソロも収録。下記に追加された楽曲がアコースティックな楽曲主体の為こちらの欧州盤はエレクトロの趣が強い。

NIUN NIGGUNG

1.Download Sofist
2.Yippie
3.Mykologics
4.Gogonal
5.Diskdusk
6.Pinwheel Herman
7.Dispothek
8.Albion Rose
9.Tensual
10.Distroia
11.Booosc
12.Mompou
13.Wald F.X.

通算6作目でこちらは2000年に発表された日米盤。ジャケットを一変。おまけに上記のC「Super Sonig Fadeout」とK「Circloid Bricklett Sprungli」がカット、新たにB「Mykologics」、F「Dispothek」、H「Tensual」が追加され曲順も変わっている。Bは一風変わったクラシカルな感じ。Fはムーディーで可愛らしい電子音がちょこちょこと飛び出す。Hは叙情的でリラックスに浸れる雰囲気。A「Yippie」は欧州盤の方が長い。思わず2枚買ってしまうのはファンにとって悲しい性だが損をしたとは思わせない内容だ。美しいアコースティックのイントロ。繊細で不安定ながらもポップでキッチュな電子音。曲調は変化に富んでいるが何故か妙に整合性が取れているアルバム。遊び心いっぱい、飽くなき音楽性の追求。これほどまで電子音の使い方に長けたアーティスト他にありません。決していやらしくない、ひねくれ電子音ユニットの傑作アルバム。貴方の耳を至福の世界へ導くこと間違い無し。

IDIOLOGY

1.Actionist Respoke
2.Subsequence
3.Presence
4.The Illking
5.Catching Butterflies With Hands
6.Do It
7.First: Break
8.Introduce
9.Unity Concepts
10.Paradical
11.Fantastic Analysis

Bonus Track

12.Tape Me Baby

13.Stuffed Funk

2001年発表の7th。アルバムの一曲目って重要だ。一曲目が全てを決めると言っても過言ではない。その点このアルバムは完璧。前作でも一曲目を聴いたときは只ならぬ予感を感じさせましたが本作の@「Actionist Respoke」を聴いたときも「またやってくれた」と驚き感動を覚えた。まさにこの曲で勝負有り。なんとヴォーカル入りです。以前にステレオ・ラブのレティシアとメアリーをフィーチャーした曲を発売したことがあったが、アルバムでこれほど大胆にボーカル導入を試みたのは初。歌っているのはマウス・オン・マーズ第三のメンバー、ドラム担当のドド・ンキシ。機械で変調させたような印象的な声。でもポップ。そう、このアルバムは完全なポップアルバム。一聴して引き込まれるあたりからいっても間違いない。気持ち良いくらいにノイジーなビート、ソウルフルな音、デジタルクラシック・・・。変幻自在に奏でられる音響空間。前作「niun niggung」では音響として一つの極みに達したが、今作ではもはやジャンルを超越してしまったって感じ。惚れ直しました。2001年度ベストアルバム。

ACTIONIST RESPOKE

1.Actionist Respoke

2.Actionist Extension

3.Dj Collapse (Mouse On Mars & Herbart)

IDIOLOGY」に先駆けて発表された先行シングル。A「Actionist Extension」は「Actionist Respoke」をよりアップビートにしたもので10分近い長尺になっている。B「Dj Collapse」は「IDIOLOGY」でも参加したマシュー・ハーバートとコラボレートした楽曲。日本盤には「Actionist Respoke」のPVが収録されてます。

AGIT ITTER IT IT

1.Spotanous Reconstruction

2.Rustc

3.Untitled States Of

4.Moral Sack It

5.Relistic Retrail

6.Milleader

7.Repressend

8.Actionist Respoke Live

2001年に発表されたEP。@は「IDIOLOGY」に日本盤ボーナストラックとして収録されている「Stuffed Funk」のバージョン違い。Bは「NIUN NIGGUNG」収録「Gogonal」の途中のパートをカットアップして編曲したものだがこれもまたいける。Gは「Actionist Respoke」のライヴバージョン。アレンジもされててカッコ良いです。その他レアながらポップな楽曲満載でオススメ。
 

SONIG COMP.

1.F.X.RANDOMIZ - Metix V.1.0B7

2.MICROSTORIA - Glocky Bit Ext.

3.MOUSE ON MARS - Syc.

4.SCRATCH PET RAND - Savona Airport

5.VERT - Symmetry Breaking

6.LITHOPS - Me We

7.DU - Transformation 19 Mal Einfach Hergestellter Komplizierter Musik In Einmal Kompliziert Hergestellte Eifache Musik

8.C-SHLZ & HAJSCH - Compilation Track

9.WANG INC. - 2 On A (Love Song)

10.BONUS TRACK - Live Seven Inch

2000年に発表。マウス・オン・マーズが主宰するソニグ・レーベルの初コンピ。簡単に紹介していくとBがマウス・オン・マーズの未発表曲。彼らの曲だと一発でわかると思います。@はフェリックス・ランドミッツ。ヤン・ヴェルナーの友人で彼にとってMIDIの先生的存在。リズミカルなエレクトロニカで非常に特徴のある音を出してます。Aはオヴァルのマーカスポップとヤン・ヴェルナーによるミクロストリア。Cはスクラッチ・ペット・ランド。ベルギー出身のブードゥー兄弟によるプロジェクト(日本盤の解説に夫婦ユニットと記載されてあるが間違いだと思います)。凄い電気的処理を加えた電子音バリバリ世界。でもポップ。Dのヴァートとはアダム・バトラー。美しいピアノが聴ける。「IDIOLOGY」にも参加してます。Eはリソップス。ヤン・ヴェルナーのソロ名義。ミクロストリアよりはマウス・オン・マーズに近い作り。Fはヤン・ヴェルナーと@で紹介したフェリックス・ランドミッツのユニット。共鳴電子音的作りかな。それにしても長い曲名。GはC-シュルツとハーシュ。ノイズ系エレクトロニカです。Hワン・インクはこの作品で初めて知ったのですがイタリア人。綺麗で可愛らしい電子音を奏でてます。Iはボーナス・トラックなるお遊び的なユニットで、マウス・オン・マーズとフェリックス・ランドミッツとヴァートにより構成。ジャジーな即興電子音。

 

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