OVAL

‘踊れないテクノ’の最右翼、オヴァル(3rd発表時までは3人組)=マーカス・ポップは既存のものから新しいものを創造するクリエイター。解体、編集、再構築というサンプリング技法は現代音楽に欠かせないものだがその表現手段を用いて感覚に訴える最も超現代的な音を作り出している。CDの面にペンで落書き。そんなもんプレーヤでかけたら音が跳んでしまうわけだが彼はそんな音をサンプリングしてしまいハードディスクで音源を再構築する異才だ。正に現代音楽の申し子のような存在。マウス・オン・マーズのヤン・ヴェルナーとはミクロストリアで活躍。ガスター・デル・ソルの最終作にも参加。その他ビョークトータスのリミックスやレディオヘッドのトム・ヨークへ影響を与えたりと様々なアーティストを惹きつけて止まない。

ISO FABRIC

1.Textuell

2.Aero Deck

3.Politics Of Digital Audio

4.Schoner Wissen

5.Do While

6.Store Check

7.Line Extension

8.Cross Selling

9.Instantan 1+2

10.Gegenlesen

11.Eigentlichen 2.0

12.70 Kino

この作品は1st「wohnton」発表以降の2nd「systemisch」(@〜C)と3rd「94 diskont」(D〜G)の収録曲に未発表4曲(H〜K)を収録した日本編集盤。2ndの時点で既にメロディーやリズムと言ったものは無く電子音が響き、スクラッチノイズが共鳴し合っている。初めて聴いた時はあまりに前衛過ぎて戸惑いましたが今では耳に馴染んでるんだから不思議なもんです。

DOK

1.Lens-Flared Capital
2.Polygon Medpack 2.0
3.Dekon/Rekon Anything
4.Bloc
5.Reversioning
6.Momentan VR
7.Standard Audio Frontend
8.Vitra Desk
9.Class

Bonus Track

10.Story Mode

11.Calc

12.Container

13.Inwendig

98年発表。フランス人のクリストフ・シャルルとの共作でシャルルの音源をオヴァルがリミックスした作品。既存のものから新しいものを生み出す彼の如くクリストフの音源も彼にとっては音を作り出す手段としかなっていない。完全にオヴァル化してます。極寒の地に誘われたような錯覚を呼び込む凍てつくような電子音が共鳴する。

OVALPROCESS

1.Clip

2.Mach

3.Kandy

4.Fina

5.K-Nation

6.Klaar

7.Mood

8.Harm

9.Tara

10.Blus

11.Pauer

Bonus Track

12.Excel M

13.Newslo

14.Stueck

15.K-Sum

2000年発表。自ら開発している誰もがオヴァルの音を作成できるソフトウェア「オヴァルプロセス」を名に掲げた通算5作目。音色にこだわった鋭くも微妙な表現は本作で極まっておりノイズの美しき戦慄を奏でた空間音楽を展開。無機質な電子音が泣いており、その様子は我々を地の果てへ、行き場の無い宇宙へ駆り立てる。聴覚の快楽。彼の作り出す音がどれだけ感性を揺さぶるかは貴方の思考によっていくらでも変えられるはずだ。そうすればオヴァルの音は決して高尚なものでない筈。

PRE/COMMERS

1Metallic.

2.Superscalar

3.Savvy

4.Doku_Drama

5.Tweakk

6.Halveplane

7.Precis

8.Stealth

Bonus Track

9.T

10.U

11.V

12.W

2000年発表。「94 diskont」以降オヴァルがマーカス・ポップ一人になってから溜め込まれた曲の作品集。プレコマースの如く次作への橋渡し的作品でもある。統率感と言う点ではラフなんだが響きの強さが強調されている所に味わいを感じる、のかは自分次第。

OVALCOMMERS

1.Twi

2.Sensa

3.Com

4.Supercalar

5.Halve

6.Doku

7.Hacker

8.Skonto - (Bonus Track)

9.Sol

10.Flicker

Bonus Track

11.T

12.U

13.V

14.W

2001年発表。攻撃的で感情を持った電子音と言うべき新しいオヴァルの音はリスナーに分かりやすさを与えるかもしれない。但しポップになったからと言って既存のポップソングからは勿論程遠い。@「Twi」から点滅するような音片、そして異常な複雑的高揚へ。生々しく脳裏へ迫る感覚的電子音の綿密さ。好き嫌いは別としてこの手の音楽ではやはり彼が最先端を行っており、聴覚への快楽を分かっているのではないだろうか。「PRE/COMMERS」収録のAはC、CはE、Dは@へと改良が施され新たに変化。

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