SONIC YOUTH

ソニック・ユースは81年にサーストン・ムーア、キム・ゴードン、リー・ラナドルを中心に結成。現代オルタナミュージックのエポックメイキング的存在。別名義の作品、サントラ、個々のソロ活動、他アーティストとのコラボレーション等その活動は多義に渡る。結成後20年以上を経ても衰えぬ創造意欲と挑戦者、開拓者であり続ける姿勢には頭が下がるばかりです。

CONFUSION IS SEX

1.(She's In A) Bad Mood
2.Protect Me You
3.Freezer Burn / I Wanna Be Your Dog
4.Shaking Hell
5.Inhuman
6.The World Looks Red
7.Confusion Is Next
8.Making The Nature Scene
9.Lee Is Free
10.Kill Yr. Idols
11.Brother James
12.Early American
13.Shaking Hell - (live)

83年発表。2ndに当たる作品で既に82年に「SONIC YOUTH」なる1stEPを発表している。本作ではオリジナルメンバーのDsであったリチャード・エドソンは脱退しジム・スクラヴノスと後任のボブ・バートが入乱れての変則的な形で録音された。ノイズのようなギターの爆音が織り成す不協和音的構造、雄叫びのようなボーカルは破壊力に満ちている。個々の楽曲としての骨格が分からない程歪んだノイズが空間を支配している趣が強い。正にノイズの音塊でこのノイズの手法は以後首尾一貫として貫かれる彼らの原点。

BAD MOON RISING

1.Intro
2.Brave Men Run (In My Family)
3.Society Is A Hole
4.I Love Her All The Time
5.Ghost Bitch
6.I'm Insane
7.Justice Is Might
8.Death Valley '69 - (with Lydia Lunch)
9.Satan Is Boring
10.Halloween
11.Flower
12.Echo Canyon

初期の最高傑作と呼び名高い85年発表の3rd。前作からノイズは芯が太くなり進化を遂げたのが良く分かる。狂気と混沌の世界を余すことなく伝えるリディア・ランチと競演したG「Death Valley '69」は必聴。強力な磁場を放ち我々の聴覚を刺激する。いかにもアンダーグラウンドな雰囲気が漂う作品としてはこれが最後。アルバム発表後Dsのボブ・バートが脱退する。

EVOL

1.Tom Violence
2.Shadow Of A Doubt
3.Star Power
4.In The Kingdom #19
5.Green Light
6.Death To Our Friends
7.Secret Girl
8.Marilyn Moore
9.Expressway To Yr Skull
10.Bubblegum

86年発表。Dsにスティーヴ・シェリーを向かえて製作。以降彼らは浮動のメンバーを保っている(2002年よりジム・オルーク加入)。@「Tom Violence」はテレヴィジョンのトム・ヴァーラインに捧げられたもの。キムがボーカルの名曲B「Star Power」やH「Expressway To Yr Skull」など比較的分かり易い楽曲を収録。C「In The Kingdom #19」の駆け抜けるドラム、語り調のボーカルがカッコ良い。メロディーラインやロック的なアプローチが成されて随分と親しみ易いアルバムになった印象を受ける。

SISTER

1.Schizophrenia
2.(I Got A) Catholic Block
3.Beauty Lies In The Eye
4.Stereo Sanctity
5.Pipeline / Kill Time
6.Tuff Gnarl
7.Pacific Coast Highway
8.Hot Wire My Heart
9.Cotton Crown
10.White Cross
11.Master-Dik

87年発表。A「(I Got A) Catholic Block」、C「Stereo Sanctity」はギターの歪みやダイナミズムを活かしており文句無くカッコ良いです。サーストンのボーカルも良し。普通のロックファンでも興奮できるはず。曲も粒揃いで次作「DAYDREAM NATION」への予兆を十分に感じさせる。ギターロックバンドとしての完成度を高めていく一方、同時期にCICCONE YOUTH名義で「THE WHITEY ALBUM」なる実験性と遊び心に溢れた作品を発表。

DAYDREAM NATION

1.Teen Age Riot
2.Silver Rocket
3.The Sprawl
4.Cross The Breeze
5.Eric's Trip
6.Total Trash
7.Hey Joni
8.Providence
9.Candle
10.Rain King
11.Kissability
12.Trilogy: The Wonder / Hyperstation / Eliminator Jr.

88年発表。アナログは2枚組。インディーズ時代の最終作にして80年代ソニック・ユースの最高傑作。ノイジーなギターは洪水のように押し寄せながら滑らかに、楽曲は力強く躍動感に富み、その詰め込まれたサウンドは完璧。これを聴いてしまうとそこいらのギターロックは相当ぬるく感じてしまう。一撃必殺の名曲@「Teen Age Riot」の静かなイントロとキムの呟きのようなボーカルからザクザクと刻まれるギター音に入る瞬間は何度聴いても鳥肌もの。この作品でソニック・ユースは完全にノイズを手中した。ギターバンドとしても実験音楽としても。ダイナミックに主張するギターと計算し尽くされ徹底的に構築された彼らの美学にひれ伏すしかない。サーストンのヴォーカルはひたすらカッコ良く、キムのヴォーカルはギター音と摩擦し別の世界のエネルギーを生む。一音も聴き逃さないで欲しい。

SONIC YOUTH 90年〜

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