SONIC YOUTH

GOO

1.Dirty Boots
2.Tunic (Song For Karen)
3.Mary-Christ
4.Kool Thing - (with Chuck D)
5.Mote
6.My Friend Goo
7.Disappearer
8.Mildred Pierce
9.Cinderella's Big Score
10.Scooter And Jinx
11.Titanium Expose

Bonus Track

12.White Kross (Live)

13.Eric's Trip (Live)

14.Cinderella's Big Score (Live)

15.The Bedroom (Live)

90年発表。ゲフィンへ移籍しての第一弾。メジャーへの移籍だが創造性において全ての決定権はバンドが完全に掌握するという異例の形で移籍。クリエイティヴな姿勢を崩さないこの移籍は非常に好感が持てるし、自身でSYRレーベルを立ち上げたり他アーティストと課外活動が出来ることからもこの移籍は正解だったと思う。音のまとまりと直線的でストレートな点はギターノイズが薄れ、切れ味が鋭くシャープになったからだろう。楽曲はコンパクトに凝縮された。ずいぶんと小刻みで気持ちよく楽曲が展開されてゆく。直線的なリズムで速度の増したスピード感は立てノリを強調し猛々しく疾走。チャック・Dと掛け合うC「Kool Thing」、パンキッシュなE「My Friend Goo」で聴けるキムのボーカルは刺激的で表現力を増した。アルバム中最も長尺のトラックD「Mote」はリーがボーカル。激しく切り込むギターに軽快なビートが絡み合う彼ららしい楽曲。

DIRTY

1.100%
2.Swimsuit Issue
3.Theresa's Sound-World
4.Drunken Butterfly
5.Shoot
6.Wish Fulfillment
7.Sugar Kane
8.Orange Rolls, Angel's Spit
9.Youth Against Facism
10.Nic Fit
11.On The Strip
12.Chapel Hill
13.J.C.
14.Purr
15.Creme Brulee

Bonus Track

16.Stalker

92年発表。僕にとってソニック・ユース初体験のアルバムで思い入れは強い。プロデューサーはニルヴァーナの「NEVERMIND」をこの世に送り出した現ガービッジで活躍するブッチ・ウィグ。今までに増してポップなアプローチと音の広がりを見せた傑作。低音が強調され前作の小刻みなリフよりも重低音の効いたリフが強調されている。力強いドラミングとメタリックで重量感の増したギター。怒涛の勢いでぐいぐいと引き込まれる力学構造が伝わってくる。キムの怒涛の雄叫びが聴けるG「Orange Rolls, Angel's Spit」は強烈。彼らの作品へのとっかかりとしてはバンドとしてのまとまりが凝縮されている点で、「GOO」とこの作品が最適だと思います。

EXPERIMENTAL JET SET, TRASH AND NO STAR

1.Winner's Blues
2.Bull In The Heather
3.Starfield Road
4.Skink
5.Screaming Skull
6.Self-Obsessed And Sexxee
7.Bone
8.Androgynous Mind
9.Quest For The Cup
10.Waist
11.Doctor's Orders
12.Tokyo Eye
13.In The Mind Of The Bourgeois Reader
14.Sweet Shine

94年発表。「SISTER」と同じスタジオで録られた。前作同様プロデューサーはブッチ・ヴィグが担当しているが作風はがらりと変わって初期の頃の生音にこだわり、アレンジもシンプルになった印象を受ける。オープニングを飾る@「Winner's Blues」はサーストンのフォークナンバー。D「Screaming Skull」はザックリとメスを入れるかのように皮肉たっぷり。激しくシャウトするG「Androgynous Mind」などサーストンのボーカルに聴き所も多いが、それ以上に目立つのがACFHJMとキムのボーカルトラック。ドライでクールな彼女のヴォイスもM「Sweet Shine」では感情移入を感じさせたりする。M終了後ちょっとしたシークレットトラックあり。

WASHING MACHINE

1.Becuz
2.Junkie's Promise
3.Saucer-Like
4.Washing Machine
5.Unwind
6.Little Trouble Girl
7.No Queen Blues
8.Panty Lies
9.(untitled)
10.Skip Tracer
11.The Diamond Sea

95年発表。キムはギターも担当。3本のギターから成る分厚い音の壁を体験できる。タイトル曲C「Washing Machine」はキムがボーカル。後半はギターノイズに包まれてゆく。E「Little Trouble Girl」には元ピクシーズのキム・ディールが参加。ノイズは無く、異色の心温まるアコースティックナンバー。極めつけは20分近くに及ぶ彼らの集大成的大作J「The Diamond Sea」。序盤はサーストンの味わいあるボーカルが印象的なんですがそれだけでは終わりません。ギター音ノイズが炸裂。終盤に近づくほど混沌とした空間を作り出していきます。ウォッシング・マシーンのアルバムタイトルが示すように、今までの区切りと新たな旅立ちを告げる意欲作。

A THOUSAND LEAVES

1.Contre Le Sexisme
2.Sunday
3.Female Mechanic Now On Duty
4.Wildflower Soul
5.Hoarfrost
6.French Tickler
7.Hits Of Sunshine (For Allen Ginsberg)
8.Karen Koltrane
9.The Ineffable Me
10.Snare, Girl
11.Heather Angel

98年発表。ここまでバンドの作品としてインターバルが置かれたのは彼らにとって初で、新たな意気込みや相当練られた感が窺える。プロデューサーは「CONFUSION IS SEX」のワートン・ティアーズ。訴えかける様に呟くキムのボーカルとシュールなノイズといった混沌を漂わす@「Contre Le Sexisme」から幕を明ける。一転してA「Sunday」ではサーストンのアルバム中最もストレートで軽快なポップソング。この2曲を聴いただけで彼らの懐の大きさが分かるというもの。キムの存在感はますます大きくなり、特にE「French Tickler」、H「Karen Koltrane」、J「Heather Angel」での彼女のボーカルは感情の塊となって聴き手を突き刺す。不思議と味わいを残すインプロが聴けるF「Hits Of Sunshine (For Allen Ginsberg)」は静の狂気。聴き込むほど感性を揺さぶり陶酔させるはず。リーが歌うD「Hoarfrost」は彼らしくノスタルジックな雰囲気を漂わせる。紛れも無くこの作品は90年代の最後を飾る傑作で、常にロックと現代音楽の境目で何事も無いかのようにソニック・ユースであり続ける姿勢に脱帽。

NYC GHOSTS & FLOWERS

1.Free City Rhymes
2.Renegade Princess
3.Nevermind (What Was It Anyway)
4.Small Flowers Crack Concrete
5.Side2Side
6.StreamXsonik Subway
7.NYC Ghosts & Flowers
8.Lightnin'

2000年発表。今までの作品群を見ていくと彼らはプロデューサーの味を上手く引き出しているし、音の使い分けが出来るから作品のマンネリ化が無い。彼らは独自の知と実験性を含んだサウンド作りを実践し続ける。そして、その音は常に可能性を感じる。本作ではジム・オルークがプロデュース及び演奏にも参加。ノイズの使い方にも彼の影響が随所にみられ@「Free City Rhymes」の長いイントロの音使いやA「Renegade Princess」の後半部で聴こえるノイズの残響音処理なんかはいかにもオルーク流。音の抜け具合が柔軟になり、空間的な広がりをもたらしたオルークの構成力は見事だと思います。前作よりとっつき易さが増した分肩の力を抜いて聴ける。傑作だ。

MURRAY STREET

1.The Empty Page
2.Disconnection Notice
3.Rain On Tin
4.Karen Revisited
5.Radical Adults Lick Godhead Style
6.Plastic Sun
7.Sypmathy For The Strawberry
Bonus Track
8.Street Sauce

2002年発表の最新作。遂にジム・オルークをメンバーに迎え5人編成となったソニック・ユースだが質の高さは磐石。彼らに凡作はありえない。とりあえず序盤の切実な歌ものナンバーには驚かされたが@「The Empty Page」の様な歌もの路線でも間奏ではストレート且つダイナミックなギターノイズが交錯する辺りはやっぱりソニック・ユース。A「Disconnection Notice」も同様サーストンはかなり丹念に歌っており音の表情が豊かだ。徐々に厚みを増していく圧巻のインストB「Rain On Tin」。ここまでは基本的に動と静を対比させながらのギターが特徴的。渦巻くノイズが霧のような雲を作っていくリーがボーカルをとるC「Karen Revisited」。ねじを曲げるようにひねっていくD「Radical Adults Lick Godhead Style」。金属的ギター音に乗せキム毒々しく歌うが歌うE「Plastic Sun」と情寂を作るF「Sypmathy For The Strawberry」。全体的に物悲しく鳴るギターが印象的なのはやはり2001.9.11のテロ事件を反映しているからだろう。ボーナストラックのG「Street Sauce」はお得意の実験的インストナンバー。

SONIC YOUTH 〜89年

TOP   INDEX

inserted by FC2 system