TECHNO
テクノってどれ聴いても同じと昔は思ってました。ボーカルの入ってる曲が少なく4つ打ちリズム主体、誰でも作れそうな音・・・それがテクノだと。要するに僕にとっては結構取っ付き難いジャンルの1つだったのです。しかし何時の間にか電子音の虜に、執拗な反復が心地良さに。ここでテクノについて少しだけ考察してみましょう。

テクノとは?

リズムマシン、サンプリング等いつの間にか発達したテクノロジーの頭文字から取られたテクノ。古くから見ればデュッセルドルフを拠点とするドイツの先人達。クラフトワークやノイ!等から語るべきですが“テクノ”という言葉を定着させたのは80年代末から生まれたデトロイト・テクノだと思います。

テクノとして括られるジャンル

(細分化しすぎてて区分け不能。かなりむちゃくちゃなんであくまで参考程度に・・・)

◆デトロイト・テクノ◆


80年代後半から90年代初頭にかけて。全てはここから。工業都市デトロイトから生まれた黒人によるテクノ。クラフトワークの音に衝撃を受けた高校生ホワン・アトキンスと同じ学校に通う一学年下のケヴィン・サンダーソン、デリック・メイが創始者。現代テクノの基礎にして究極形。カール・クレイグ、ケニー・ラーキンといった第二世代やアンダーグラウンド・レジスタンス、ジェフ・ミルズ、マッド・マイク等多数輩出した。

 

◆ハウス◆

 

ハウス音楽とはソウルやファンクの要素を取り入れたダンスミュージック。基本は80年代前半に登場したシカゴ・ハウスにあるが今ではフレンチ・ハウスが有名か。フレンチ・ハウスはフランスで生まれたハウス音楽であり4つ打ちが基本。ダフト・パンク、エールが有名。他にもプログレッシヴ・ハウス、アンビエント・ハウスと様々に派生しているがテクノとして語られる‘ハウス’とは下記のアシッド・ハウスが一番多いのではないのでしょうか。

 

◆アシッド・ハウス◆


アシッドとは麻薬の様な意味でローランドの名器TB303を使用したテクノ。ベース音が特徴的なビヨ〜ン、ビヨ〜ンとしたあの音です。DJピエールがTB303を使用してハウス音楽を作ろうと生まれた音から彼が創始者とされている。ドイツのハードフロアがとにかく有名。

 

HARDFLOOR


◆アシッド・リヴァイバル◆


リッチー・ホウティンやデイヴ・クラークによりテクノに一歩深みを加えた総称として言われている。上記のハードフロアはTB303を独自の手法で新たに発展させた事からこちらで括られる事も。


◆アンビエント◆


創始者とすればブライアン・イーノでしょう。あとはエイフェックス・ツイン、オーブ等。リズムや曲の骨格がはっきりしておらず捕らえ所の無い音。所謂音響。空間音楽。チル・アウトもここから派生。

 

◆インテリジェント・テクノ◆

 

アンビエントの要素を含む実験的なリスニング指向が強い。テクノレーベルのワープから。ブラック・ドッグ・プロダクションズ、エイフェックス・ツイン、オウテカ等。今で言うエレクトロニカはここから。

 

◆ミニマル◆

 

テクノの基本、執拗な反復と少ない音数。特別盛り上がる部分は無く淡々と音を重ねたり、音数を減らしたりしながら構成。ジェフ・ミルズやサージョンとか。単調な音なんで作品として楽しませるには相当な力量が必要。この手の音はDJで多用される。

JEFF MILLS

 

◆ブレイクビーツ◆

 

ロックとヒップ・ホップ・ビートの融合。様々なビートをサンプリングによって組み合わせた形。ケミカル・ブラザーズが有名なんだと思う。

 

◆ビッグビート◆

 

ブレイクビーツを更にダイナミックにしてロックに一番近づけた音。ファットボーイ・スリム、ベントレー・リズム・エースとか。

 

◆デジロック◆

 

ロック音楽をデジタル機材を用いて表現。プロディジーかな。更に音がハードになるとデジタル・ハードコアとも言ったり。強いて言えばアタリ・ティーンエイジ・ライオットか。ビッグビートと差別化が難しい。

 

◆ジャングル◆

 

ブレイクビーツの1つとして派生してきたジャンル。ハードコアなブレイクビーツ・サウンドで苦し紛れのブレイクビーツとも言われている。

 

◆ドラムン・ベース◆

 

ドラムと低音ベースを主軸にブレイクビーツを高速化。ジャングルの進化形だが差別化は困難。ゴールディー、スクエアプッシャー、4ヒーロー、ロニ・サイズ、フォーテック、LTJブケム等いろいろ。

 

◆トリップ・ホップ◆

 

アブストラクトな音。ヒップホップ、ブレイクビーツ、ダブ等を組み合わせて空間音楽を実現。トリッキー、マッシヴ・アタック、ポーティスヘッド等が有名。

 

◆ハードコア・テクノ◆

 

名前の通り派手なテクノでユーロ・テクノとも言う。更にスピードを速めたものをロッテルダム・テクノとか言ったりする(オランダのロッテルダムから生まれたから)。4つ打ちが特徴的なテクノか。もっと激しくなるとガバ・テクノとか言ったりもしたりと、ここら辺の分け方よく分かりません。

 

◆エレクトロ◆

 

ピコピコなサウンドというのが一番分かりやすいかも。クラフトワーク、YMOとか。和製英語のテクノ・ポップ(海外ではエレクトロ・ポップと言う)もここがルーツ。現在ではウエストバムやヘル等ドイツからリヴァイバルされておりジャーマン・エレクトロとか言ったりも。

 

◆トランス・テクノ◆

 

アナログシンセを使ったメロディアスな音がテンションを高める。システムFやポール・ヴァン・ダイクなんかが有名。ハード・トランス、ダッチ・トランス、ユーロ・トランス、イタロ・トランス等様々に派生。下記のゴア・トランスもその一種。

 

◆ゴア・トランス◆

 

インドのゴア地方から命名。トランスにアンビエント風味を加味させたとってもメロディアスなテクノ。

 

◆ユーロ・ビート◆

 

歌つきでド派手なシンセサウンド。いわゆる一時のジュリアナ。TR707やTR808を使った単調な音。

〜衝撃を受けたテクノ3曲〜

1.RYTHIM IS RYTHIM (DERRICK MAY) 「Strings Of Life」

どれほど多くのDJがこの曲をターン・テーブルに乗っけたのだろうか。この曲を聴いて何人の人間が涙した事だろうか。一度は聴くべし「Strings Of Life」。全く風化を感じさせないこの音に宿った魂は必ずや聴く者に感動を与えるであろう。

2.UNDERWORLD 「Rez」

僕がテクノの良さを実感した曲。今でもアンダーワールド最高の楽曲として君臨。最早これ以上の楽曲は生み出せない決定的名曲。

3.APHEX TWIN 「Xtal」

彼の場合どの楽曲を選ぶべきか非常に悩みますね。名声を高めた「Digeridoo」や「Quoth」も良いのですが僕は「Selected Ambient Works 85-92」収録のこの楽曲が一番好きです。一時期、寝る時はいつもこの曲だった事があります。癒されます。

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