THE ORB

アンビエント・ハウスやプログレッシヴ・ハウスなるジャンルを逸早く確立したジ・オーブはアレックス・パターソンのプロジェクト。元々はThe KLFの片割れジミー・コーティーと共に89年に結成された。が、コーティーはオーブを直ぐに離れ元キリング・ジョーク(アレックス・パターソンはキリング・ジョークのローディーをしていたこともある)のユースとも活動したが彼も直ぐに脱退。それ以後スラッシュとのプロジェクトとなり彼の脱退後はドイツ人のトーマス・フェルマンと活動。ただオーブといったらアレックス・パターソンの図式が出来上がっている。言わずと知れたプライマル・スクリームの名曲「Higher Than The Sun」をプロデュースした事はあまりに有名。元ゴング、現在はシステム7で活躍のスティーヴ・ヒレッジとの交流も盛ん。どのアルバムも水準が高く外れはないだろう。個人的には1stから順を追って聴くのが一番良いと思います。

the orb's adventures beyond the ultraworld

Disc 1
1.Little Fluffy Clouds
2.Earth (Gaia)
3.Supernova At The End Of The Universe
4.Back Side Of The Moon
5.Spanish Castles In Space

Disc 2
1.Perpetual Dawn
2.Into The Fourth Dimension
3.Outlands
4.Star 6 & 7 8 9
5.A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Center Of The Underworld - (live)
91年発表の2枚組1st。2時間近い大作だが聴き所満載の傑作。内ジャケにはピンク・フロイド「Animals」からのネタも。全10曲の構成だがDisc1@〜Bは「Earth Orbit」。C〜Dは「Lunar Orbit」。Disc2@〜Bは「Ultraworld Probe」、C〜Dは「Ultraworld」で括られておりノンストップ。Disc1@「Little Fluffy Clouds」はオープニングに相応しい綺麗なダンストラック。そのままリズム主体のA「Earth (Gaia)」、カウントダウンと共にB「Supernova At The End Of The Universe」へ。アンビエント的宇宙空間。硬質リズムながら静かに響く電子音が美しい。C「Back Side Of The Moon」は壮言なオープニングのアンビエント曲。14分を超える。D「Spanish Castles In Space」は低い響きが強調されたこれもアンビエント風。最後は水の音。これも大曲の15分。この2曲「Lunar Orbit」は計30分あり浸れまくれます。Disc2@「Perpetual Dawn」はレゲーやダブ風味を加えたリズミックなナンバー。A「Into The Fourth Dimension」はサンプリング声後ミサ調の流れ。続いてテクノビートへ突入するがストリングスの音も飛び出す風変わりなナンバー。B「Outlands」はダブベースと電子音の融合。C「Star 6 & 7 8 9」はメロディアスなアコースティック・サウンドが印象的。低音ベースも良い味。そのままラストD「A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Center Of The Underworld - (live)」へ突入。19分近い大作でマイク・オールドフィールドの「Incantations」からのフレーズを基調としながらニワトリの鳴き声、飛行機音、小波の音、ビートが所々にサンプリングされている。最も印象的なのはミニー・リパートンの「Loving You」が細やかに組み込まれているとこ。長い曲タイトルのため通称ラヴィング・ユーとも呼ばれるのも納得。不思議な安らぎを得られる曲でパターソン流ミニマル・ミュージックの決定版だ。

U.F.Orb

1.O.O.B.E.
2.U.F.Orb
3.Blue Room
4.Towers Of Dub
5.Close Encounters
6.Majestic
7.Sticky End

92年発表。UKチャート1位に輝いた名盤。深遠な美しきアンビエントの@「O.O.B.E.」から音の空気に包まれる。徐々に煌びやかに変貌を遂げる電子音。音の空気密度を高めていく10分間。以降ミニマルに終息しながらA「U.F.Orb」へと進む。美しく重厚なイントロだが1:50辺りでビートを刻む。透き通った抜けの良い電子音が気持ち良い。ややフロア向け。B「Blue Room」は17分を超える名曲。スティーヴ・ヒレッジがギターとプロデュースで参加。微生物にでもなったようなミニマルから7分前後で空気を変えていく。トランスチックな雰囲気から9分でビートも刻む。低音がグルーヴを演出。C「Towers Of Dub」はハーモニカと低音ダブ・サウンドが印象的。アンビエント風の作りながらいろいろな音が聞こえて来る。これも長尺で15分近い。D「Close Encounters」は小刻みな電子音ダンスナンバーでややフロア向けだが独自のサンプリングで浮遊感をつのっている。10分を超えるトラックでそのままWake Upの掛け声のE「Majestic」へ。なかなか繊細なナンバーで電子音がキラキラ。11分を超える。続くF「Sticky End」は1分にも満たない余韻。

POMME FRITZ

1.Pomme Fritz (Meat 'N Veg)
2.More Gills Less Fishcakes
3.We're Pastie To Be Grill You
4.Bang 'Er 'N Chips
5.Alles Ist Schoen
6.His Immortal Logness

94年発表の3rd。10分を超える大曲を中心に構成された前作「U.F.Orb」とは裏腹にこの「POMME FRITZ」では10分を超える楽曲は無く小曲E「His Immortal Logness」以外は7〜9分のトラックでアルバム全体も40分弱となっている。サイケ度は前作を増しておりアレックス・パターソンはオーブの最高傑作に挙げているアルバムだ。@「Pomme Fritz (Meat 'N Veg)」から環境音楽となってます。A「More Gills Less Fishcakes」は完全に音響路線。B「We're Pastie To Be Grill You」は声を変調させたりテープ処理を加えたような変質ナンバー。C「Bang 'Er 'N Chips」でようやくリズムらしきリズムが飛び出すがこの曲もかなりミニマル。D「Alles Ist Schoen」はシンセを主体に構成したアンビエント・ナンバー。E「His Immortal Logness」はメロディアスなお遊び的トラック。この3rdはオーブの作品では好き嫌い分かれる作品なのかも。最初に手を出すべきものではありませんが完成度は高いです。

ORBVS TERRARVM

1.Valley
2.Plateau
3.Oxbow Lakes
4.Montagne D'or (Der Gute Berg)
5.White River Junction
6.Occidental
7.Slug Dub

95年発表。オーブの作品でも最もアンビエント度が高いであろう4作目。これはヘッドフォンや寝るとき聴くと良いです。インパクトは薄いかもしれないが音楽的構造は前作よりしっかりしておりそれなりに聴きやすい。アンビエント世界にどっぷり浸かれる極上品。シンセ音も綺麗。傑作。

Orblivion

1.Delta MK II
2.Ubiquity
3.Asylum
4.Bedouin
5.Molten Love
6.Pi
7.S.A.L.T.

8.Toxygene
9.Log Of Deadwood

10.Secrets
11.Passing Of Time
12.72

97年発表の5th。究極までアンビエント色を打ち出した前作から一変。ドラムン・ベースやブレイク・ビーツのスタイルを導入した最もビートの強い作品となった。かと言って4つ打ちビートのダンスナンバーではなくあくまでクールでスペイシーなサウンドスタイル。@「Delta MK II」、A「Ubiquity」でスティーヴ・ヒレッジが参加。初期作にも引けを取らない作品だと思います。

Cydonia

1.Once More
2.Promis
3.Ghostdancing
4.Turn It Down
5.Egnable
6.Firestar
7.A Mile Long Lump Of Lard
8.Centuries
9.Plum Island
10.Hamlet Of Kings
11.1, 1, 1
12.Thursday's Keeper
13.Terminus

2001年発表の6th。ボーカルトラックが@BGHと4つある。@「Once More」からボーカル入りで驚き。歌っているのは大森アキで詳しい事は分からないが日本人のようだ。ビョーク寄りの歌唱スタイル。L「Terminus」はアンビエント色が濃厚でキング・クリムゾンのロバート・フリップがギターで参加。アルバム全体の纏まりには欠けるがオーブの作品としては最も聴きやすいでしょう。ノリの良い曲も多いです。C「Turn It Down」からの流れはなかなか絶妙。

The KLF

STEVE HILLAGE

SYSTEM 7

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