NEU!

ノイ!は、初期クラフトワークのメンバーでもあったクラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターにより71年に結成された。ハンマー・ビート、音響処理の面から考えて現代音楽への影響力はとてつもなく、クラフトワークと同等に評価されるべきアーティストだろう。以下3枚全て聴くべし。

NEU!

1.Hallogallo
2.Sonderangebot
3.Weissensee
4.Jahresuberblick-Im Gluck
5.Negativland
6.Liber Honig

72年発表。執拗に繰り返されるハンマー・ビートが圧巻。このような驚異的な音楽を72年という時代に創造していた事に先ず驚かされる。そして、現在聴いてもまったくもって普通に聴けるから恐ろしい。@「Hallogallo」からひたすら続くハンマービートに宙を舞うギター。あまりの素晴らしさに気持ちの高揚を抑える事が出来ないはず。名曲。A「Sonderangebot」は雷の残響音や金属音のような感じ。途中音が途切れる部分があったり。そのままB「Weissensee」へ。ゆったりとした快楽。ほわ〜んとリラックスして浸れる。ギターも結構鳴ってます。C「Jahresuberblick-Im Gluck」もゆるりとした気分で。ドリル音から幕を明けるD「Negativland」。ベースとドラム音がビートを刻んでいく。後ろで聴こえるノイズ。ノイズで溜めて4:20辺りでスピードアップ。5:18辺りで再度ミディアム・テンポに落ち着き。8分で狂暴に変化し突然終わる。E「Liber Honig」は声入り。ちょっとした実験ナンバー。テクノ、音響側面から考えて早すぎた大傑作。この作品の影響力は計り知れない。

NEU! 2

1.Fur Immer
2.Spitzenqualitat
3.Gedenkminute
4.Lila Engel
5.Neuschnee 78
6.Super 16
7.Neuschnee
8.Cassetto
9.Super 78
10.Hallo Exentrico!
11.Super

73年発表。様々な音処理を施した楽曲が多く、テープの逆回転を含め当時考えつく音響処理の全てを出し尽くした感じ。ノイ!の魅力が味わえる@「Fur Immer」はお得意のハンマー・ビート。音色、音質を変えたり拍子を上手く操り一気に聴かせる。津波のような効果音を挿入して空間的なビートA「Spitzenqualitat」へ移行。スピードは徐々にスローへ展開し鐘の音B「Gedenkminute」に突入。C「Lila Engel」は変な声とビートを絡めながら音圧も変化させるアヴァンパンク。アナログ針ノイズから早回しのD「Neuschnee 78」。E「Super 16」はノイズ音や雑音交じりでここら辺の音響処理は早すぎたオヴァルなのかも。F「Neuschnee」は非常に完成度が高いソフトなナンバー。ハンマー・ビートを基本とした反復から生み出される快楽。展開も良く練られている。G「Cassetto」は実験的で音が外れたりうねりを入れたり。H「Super 78」はパンキッシュに仕立て上げた高速回転ナンバー。I「Hallo Exentrico!」は低速変速回転でウネウネ。中盤逆回転処理とかも。J「Super」は速めのビートに壊れたパンク。Cと同様ボアダムスっぽい。

NEU! 75

1.Isi
2.Seeland
3.Leb' Wohl
4.Hero
5.E-Musik
6.After Eight

75年発表の3rd。クラウス・ディンガーの実弟でもあるトマス・ディンガー(2002年死去)、ハンス・ラムペが加入しており4人で作成された。ピアノ音から幕を明ける@「Isi」から綺麗なメロディーで、ハンマー・ビートもありだがメロディアスさに重きを置いており非常に聴きやすい。煌びやかなオープニングから一変して薄暗い朝焼けが似合いそうなA「Seeland」。B「Leb' Wohl」は波の音とピアノが素敵な抒情ナンバー。昨今の環境音楽も真っ青なほど素晴らしい。時間を忘れてトリップ。C「Hero」から音は変化。過去のノイ!からは考えられないギター音と完全なパンクに仰天。D「E-Musik」は軽快に飛ばすいかにもノイ!なナンバー。ビートは軽めで細かい音の粒になりながら7分過ぎに風がなびきアンビエントへ。そしてテープ処理。E「After Eight」はアヴァンギャルド風味のパンク。ミヒャエル・ローターはこの作品後脱退しハルモニアを結成。残ったメンバーはラ・デュッセルドルフを結成した。

TOP   INDEX

inserted by FC2 system