KING CRIMSON

Robert Fripp / Ian McDonald / Greg Lake / Michael Giles / Peter Sinfield

偉大なるプログレの先駆者。プログレと言ったらクリムゾン無しには語れない。技巧的かつ絶えず変化させ発展し続ける音楽性は正にプログレッシヴ。

IN THE COURT OF THE CRIMSON KING

1.21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)
2.I Talk To The Wind
3.Epitaph

 (a) March For No Reason

 (b) Tomorrow And Tomorrow
4.Moonchild

 (a) The Dream

 (b) The Illusion
5.In The Court of the Crimson King

 (a) The Return Of The Fire Witch

 (b) The Dance Of The Puppets

Robert Fripp  (G)
Ian McDonald  (Reeds、Woodwind、Vibes、Key、Mellotron、Vo)
Greg Lake  (B、Lead Vo)
Michael Giles  (Ds、Perc、Vo)
Peter Sinfield  (Words、 Illumination)

 

69年10月に発表されたキング・クリムゾンの1st。プログレの代表作を挙げよと言われたら間違いなくこのアルバムかピンク・フロイド「狂気」だろう。ビートルズの「アビー・ロード」をチャートの1位から引き摺り下ろした云々然り、30年以上経った今でも絶対的名盤として君臨する歴史的音楽遺産。最早プログレの範疇で語られるアルバムではなく音楽としての基本アイテムであり聴いてない方がおかしいのかも。@「21st Century Schizoid Man」を初めて聴いたときは非常に衝撃的だった。既に相当のテクニックを持っていたロバート・フリップのギター、歪んだグレッグ・レイクのボーカル、手数の多いマイケル・ジャイルズのドラミングにイアン・マクドナルドが全体のバランスを纏め上げた一糸乱れぬアンサンブルは69年と言う時代に尋常でない輝きを光っており、思想面でもピート・シンフィールドの幻想的な詩は絶妙な配色となっている。動の部分のクリムゾンはこの一曲に全て内包されている。叙情的な他の曲も全て名曲。@と双璧を成すメロトロン(鍵盤で弦楽器の音を出す現代のサンプリングのような装置)を大々的にフィーチャーしたB「Epitaph」は絶品。グレッグ・レイクのボーカルはこの曲の為にあると言えるほど詩と音楽にマッチしている。@の衝撃からいきなりの情寂を呼び込むA「I Talk To The Wind」、最も幻想的というべき美しさのC「Moonchild」、メロトロンの大洪水と最後の最後まで気が抜けないD「In The Court of the Crimson King」迄付入る隙が無い。アルバムジャケットもロック史上最も有名な物の一つ(アルバムジャケットを手掛けたバリー・ゴッドバーはアルバム発表僅か4ヶ月後24歳の若さで他界)。全てが完璧。完成度の高い1stアルバムは多々あるが、これほどまで荘厳として隅から隅まで構築の行きとどいたアルバムは見つからないだろう。クリムゾンは紛れも無くロバート・フリップのバンドなのだがこのアルバムの時点では絶対的主導権を握っておらず5人が同等の主張を行えた。その意味で対立する意見と葛藤の中纏め上げられたのは奇跡的だ。そしてメンバー間の絆がこのアルバム一枚で崩れたのも十二分に分かる。

KING CRIMSON 70年〜72年

KING CRIMSON 73年〜74年

KING CRIMSON 81年〜84年

KING CRIMSON 94年〜

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