アイクさんのレビュー
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1、STAX 旧Basic System(Lamda Nova シリーズ)
 満足度:★★★★☆

 まず、音質はすばらしい。弦楽器は潤っているし、案外低音も出る。(重低音は当然望んではいけない)
 オケも大変綺麗に再生され、入門機ながら、同価格帯のダイナミック型に比べると、専用ドライバーアンプを装備しているがために非常に有利である。ピアノのタッチも大変綺麗に再生されクラッシックソースには良い。だが、高音域が良く出る(出すぎ?)傾向にあるため、ドンシャリ感があることは否定できない。また、POPS再生においては、電子系ビートが入っているソースは特にその性質が顕著にあらわれるので、要注意である。特にバイオリンなどは高域がきつすぎると感じる。ただ、バイオンまで良く響くのは驚きである。
 また、女性ボーカルにおいては艶、息遣いまで、くっきりはっきりでて、非常に色っぽい。(^^;
 また、評判どおり、遮音性は0、音漏れ盛大でHD600同様、環境によっては使用しづらい。真夜中での使用が推奨される。(笑)アコースティック系ソースに滅法強く、フォークソングなどは涙ものである。ただ、欠点は装着感。人によってはつらい。頭を動かすと、ぎしぎしという音がして少々不安である。イヤーパッドは人工皮であるが、これが以外と曲者。ゼンハイザーのように布系の素材だと、ふわふわで気持ち良く、汗も気にならないが、人工皮のイヤーパッドは汗がつくとべたつき、はっきりいって気持ち悪い。上位機種のイヤーパッドも同様なのか、もうちょっと良い人工皮を使っているのかもしれない。恐らくイヤーパッドについてはSTAX製品に共通する悩みだと思う。
 夏場は他のヘッドフォンよりさらに苦しいということもまた明記したい。
 総評としてはオケの各パートを分析的に聞くなど、正直「計測」するといった表現が適していると思う。また、ソースにあるわずかなノイズまでもをくっきりはっきり暴き出してしまうので、ソースによっては聞きづらく、最悪の結果になってしまう可能性もある。
 あまりにも分析的に鳴るため、音楽性にやや欠ける傾向にあるような気がする。気軽に良い音という雰囲気では到底ない。
 また、ヘッドフォンは案外プラスチック製のわりに重いというのもポイント。あとはCDプレーヤーなどのソース機器から、ドライバーユニット部を繋ぐコードによっても音質を左右される。なるべくニュートラルな性質なものが好ましいと考えられる。
 僕の場合、CECのポータブルであるPDA−301のラインアウト端子から、予算の都合上サエクの6Nケーブルを使用している。(ミニ⇒RCA変換型のもの)他にもこのタイプはオルトフォンやIXOSなどもあるらしい。あと、気をつけることは当然のようであるが、意外と利便性の関係でつかわれるアンプのプリアウトやRECアウト端子を経由した接続方法である。これはなるべく避けるべきであると思う。当然、接点が増え、音の鮮度が落ちてしまうからである。僕はそのためにPD−HS7があるのに、CECのポータブルを買った。

※ドンシャリ感についてはBASIC SYSTEMUになってドライバーユニットの低インピーダンス化やイヤースピーカー部の振動膜の改善もあってかなり改善されているらしいです。

2、Philips HP−100
 満足度:★★★★★
 石丸電気で980円のセールだったものを知人に送っていただいたものです。
 密閉型。ぷらっぽい響き、Philipsらしい厚めのぼったりとした低域。でもなかなか聞けます。高音は不足気味ですが、そんなに気には
 なりません。Hi−fi調な音では決してないですが、気軽に使えて、しかも超ロープライスが魅力のヘッドフォンですが、現在はうられていません。

3、SONY MDR−E888SP
 
満足度:★★★★

 ご存知SONYのインナーイヤー型最高峯の機種。バイオセルロースを使用しているところに惹かれた。
 しかし高い。実売で6400円程度である。D−E900とCECのポータブルにて試聴。
 音質は賛否両論であると思うような音質。明らかに高域は澄んでいてとても綺麗。これは一般に存在するインナーイヤー型では得られない。
 女性ボーカルの気配感、息遣いもなかなか。ただ、低域に関してはボツ。リンク先の英語のページではエージング後に出るようになると記されていたが、PADのシステムエンハンサー REV.Bをかけてエージングしてもさして変化なし。(爆)高域が余計クリアになってしまいました。(笑)ただ、そんなに人にお薦めできる機種ではないと思う。MDR−868のほうが、高域のざらつきはあっても、付属品からの改善感覚が大きく、また価格も比較的に手ごろなのでお薦めである。でも、まぁ余裕があればMDR−E888は悪くないと思う。ただ、別に遮音性があるわけでもないので、電車の中とかではあまり持ち前の良さを発揮できないという重大な欠点を抱えている。(^^;
英語のページではシルバー塗装の部分が多すぎてイヤリングみたいだという感想がありましたが、たしかにそのとおりだと思いました。
 インナーイヤー型にしてはデザインは派手で目立つほうですね。まぁ、ドリカムや石井達也がライブで使用したという実績があるみたいですが・・・。自分で確認できたのは坂本龍一のオペラ 「LIFE」の公演にて使われていたことですね。まぁ、あれはSONYのスポンサーになっていましたが・・・・・。まぁ、ファンの方には良いかも。(ちなみに坂本ファンだったりして・・・・)(爆)

4、SONY MDR−D55
 
満足度:★★★

 元祖折りたたみ半密閉型ポータブル用ヘッドフォン。各社から類似品多数。
 D33とD55とD77は特殊金属のばねをしようしていて電車の中でつぶされても壊れにくい構造である。
 D77のみ、コラーゲンイヤーパッド、バイオセルロース振動板を搭載。
 僕がもっているのはD55。音はかなり硬い。SONY製品は音がかなり硬めとの評価があるが、それにしてもかなり硬い。
 はっきり行ってキンキン。使用頻度はかなり少ない。ただ、持ち運びがかなり楽かつ安心なヘッドフォンである。
 カセット ウォークマンなど高域が規格的にやや不足気味のものには硬さが良い方向で活かされる、面白いヘッドフォンである。
 もっぱらウォークマン専用として利用した。このヘッドフォンもまた、あくまでポータブルといった音質である。
 上級機のD77はまたちょっと違うと思うのだが・・・・・。


5、STAX SR−003 (00/08/21更新分)
 満足度★★★★★


機材:SRM-xh(Basicのドライバーアンプ部)、CECのポータブルCDのPDA−301。

ソフト:グラモフォンのカラヤン・ベルリンフィル フィーチャーリングムターでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、セリーヌディオンのベストアルバム、Bill Evansのソロアルバム、Conversation With Myself

まず、装着感ですが、二時間ぐらいでちょっと痛くなります。イヤーパッドは大、小の二つが付属していますが、大の使用がお勧めです。なれるまではちょっときついかもしれませんが、大のほうが密閉度が高くなり、細かい音がよりよく聞こえます。(ただ、個人差がありますので、両方ためしてみるのがベストです)

音に関しては旧Basicに比べると、ややナローレンジ。切れ味があまり鋭くないので聞きやすく、しっとり感があります。低音についてはBasicのほうが断然多く出ますが、003もサイズを考えるとまとまった低音が出ていると感じました。低音に関しては説明書やカタログにもあるように、装着状況(密閉度)によってずいぶん変わりますので気をつけましょう。空間表現はやや控えめで、ヴォーカルを聞くと、そこをクローズアップしたような感覚で面白いです。STAXの各音の分離感、個々の定位はばっちり表現され、流石だなーと思います。

ただ、耳の中に挿入するので頭内定位感はヘッドフォンタイプと比べるとかなりあるように感じます。このへんが好き嫌いが分かれるところかもしれません。


まぁ、でもなによりも軽いですし、夏場はとくに使いやすいです。

SR-003と直接関係ないかもしれませんが、兄弟モデルのSR-001Mk2はHead Roomによると、ある米国の雑誌で宇宙一のヘッドフォンのハイエンドモデル!と評されたそうです。よほど評論家の耳にぴったりだったのかもしれません。Head Room主催者は期待はずれでがっかりというレスが掲示板においてありました。このシリーズはどうやらかなり個人差がでるモデルだと思います。

 

 


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